長らく続くコロナ禍の生活により、学校現場の環境も大きく変化しました。
その代表格とも言えるのが、「ICT活用」ではないでしょうか。
緊急事態宣言下の一斉休校をきっかけに、多くの学校がオンライン授業への取り組みをスタートさせましたが、今では対面授業でもパソコンやタブレットを活用するケースが増加しています。
そうは言っても、今はまだ過渡期。
学校内の通信環境や生徒端末のトラブル、授業運営する教員間のリテラシー格差など乗り越えるべき課題を抱えながら、何とか現場の努力で活用を進めているのが実情です。
今回は、ICT活用に対して寄せられた生徒や保護者の声に対する取り組み事例をご紹介します。
オンライン授業で黒板を表示されても内容が見えない
実はこれ、大変多く寄せられている意見の一つです。
zoomなどのオンライン授業ツールを利用して、先生方は黒板にカメラを向けながら授業を進めているという事かと思いますが、画面を通して黒板を見ると、思いのほか細部が見えづらいのです。
こうした意見に対する取り組みとしては、多くのオンライン授業ツールに搭載されている「画面共有」機能の活用がおすすめです。
「画面共有」なら、生徒は先生が見ている画面と同じように閲覧できますし、強調したい部分はマウスで指し示すこともできます。
また、共有する画面はPCで表示できるデータであれば何でもOK。
自作プリントのデータもいいですし、新しく授業用の資料を作成するという場合にはパワーポイントなどをが便利です。
難しい印象のあるパワーポイントですが、実はそんなに複雑ではありません。
生徒に”しっかり見える”事が重要ですので、綺麗にデザインされていなくても、まずは板書しようと思っていた内容をテキスト入力するだけでも十分。ご自身の画面を見て、顔を近づけなくても無理なく読めるかどうかを確認しながら進めてみてください。
また、こうしたPC上に表示する資料(デジタルデータ)は1度作っておけば何度でも繰り返し活用が可能です。
空いた時間に少しづつ作りためておき、同じ教科の先生方と共有し合うなどしながら、教科全体で準備が進められると良いですね。
学校内の通信環境を良くしてほしい
こちらも、多くの寄せられている意見です。
オンラインツールの導入が進み、学校内で通信を伴う活動も増えてきたことで見えた課題かと思いますが、不安定な通信環境での作業はストレスも多く、集中力を削がれてしまいます。
根本的な解決には、通信環境整備時に依頼した事業者などへの相談が必要ですが、一次的には学校内の使用ルール整理などで対応するケースもあるようです。
例えば、”授業内で通信負荷がかかる活動を行う場合には事前に校内で共有しあって調整する”など、大人数での一斉アクセスを避けるためのルールを設けることで、大きなトラブルを回避しながら利用している事例も。
通信環境の強化にはコストもかかりますので、まずは適切なルール設定をしてみるのも良いかもしれません。