こんにちは!IKISAKI情報局です。
IKISAKI情報局では以前の記事で、株式会社エデュ・フィールド 代表 光延栄治氏にご協力いただき、「学校評価の意義」について全3回でお送りしておりました。
今回の記事では、引き続き光延栄治氏にご協力いただき、学校評価を実施した後の「学校評価の活用方法」についてお送りします。
前回の要点~実際の活用方法=ミクロではなく、マクロ視点で結果を捉えたい
初夏に3回シリーズで「学校評価」の意義について述べさせて頂きました。
そこでは学校に求められることが多様化する中で、教職員の汗の効率最適化が肝要であり、
それを図る上で学校評価の活用が有効であるということを申し上げました。
また、「校内のベクトル共有の為に、建学の精神/教育理念/校長方針に基づいた同じ方向を
向いているかどうかを検証する」というベースの活用法の他に、幾つかの活用方法についてご提案致しました。
・ICTの教育活用やコロナ対策、観点別評価などタイムリーな課題への検証
・特定の項目について、学年/コース/クラスという細かな単位ごとの傾向把握
・設問設計など準備段階において、項目立てする教育活動への緊張感を創出すること
もちろん、これらから見えてくる一つ一つの項目結果は大切ですが、
そればかりに一喜一憂するだけでは、学校評価の捉え方として正しいとは言えません。
学校の先生方と専門家の協働によって分析された評価全体を総合的に俯瞰して診ることが大切です。
アセスメントの本質~天は自ら助くる者を助く/学校評価は「自助努力」の道標
ただ、まだまだ自分自身の関心の高い項目のみを注視するのみで
「学校評価での全体的傾向など調査結果を診る余地などない。肌感覚で十分わかる」と仰る先生がいらっしゃるのも事実です。
そして、長い学校生活の中で培われたその感覚は決して間違っていないことが多いのですが、
その肌感覚を他の教職員、ひいては市場と共有する為にはデータの形で可視化することが必要であることは言うまでもありません。
そこで、「学校評価」の結果を共有する「場面」と「対象」ですが、
HPや校内メディアを用いて、保護者などへ公開していくことが必要かと思われます。
もちろん、「拙い結果が出てしまったらどうしよう」という不安もあるかと思いますが、
正直「学校評価アンケート」に表出してしまっているということは顧客から声が上がる直前、と捉えるべきでしょう。
何事においても結果に対して右往左往したり、エクスキューズに奔走したりするのではなく、
率直に結果報告すると共に今後の対応を真摯に説明することこそ、保護者の信頼を勝ち取ることに繋がると思います。
「取るだけ」「見せるだけ」からの脱却:未来のクレームへのエビデンス作り
総じてアンケートで大切なのは、「取りっぱなし」にならず、情報開示で組織の透明性をアピールすることではないでしょうか。
結果の良し悪しばかりに拘泥せず、内省と課題修正により、今後どうしていくかという未来志向こそが求められる姿勢であると考えます。
ただ、どうしても抑えられる問題は抑えたいということならば、
その萌芽を出来るだけ早期に発見することを前提とした質問項目の設定が必要です。
その上で、継続的に学校評価アンケートを続け、小さな経年変化を敏感に読みとって頂くことをお勧めしたいと思います。
思うに、学校は一見、論理的な場のようで、その実際は様々なステークホルダーの情緒に溢れた場です。
そうした危うさを抱えたところで健全かつ公平な運営を行っていく上では個人的感覚に頼ったり、
課題への説明責任から逃れようとしたりしていては、安定的で持続可能なプレゼンスを示し続けることは不可能です。
学校評価を「取るだけ」に終わらせるのではなく、積極的に上記のように活用していくことが、学校の未来を拓くことに繋がると信じております。
■この記事を書いた人